イタリアのローマで深夜恋人を追って疾走した話

イタリアのローマで深夜恋人を追って疾走した話

以前付き合っていた恋人は、非常にエキセントリックな性格でした。顔もかわいくてスタイルも抜群で、機嫌がいい時には優しくもあってそれで付き合っていたのですが、
いったん何かで機嫌を損ねると、その怒り方がものすごいのです。そして、その怒りのツボが長らく付き合っても、

 

どうもよくわからず、私は無意識のうちにその虎の尾っぽを踏んでしまうというか、怒りのスイッチに触れてしまうというか、とにかく非常に怒らせてしまって、その都度収拾が非常に大変なのでした。

 

 

とはいえ、普段は仲がいいので、2人である夏休みにイタリアへ海外旅行をしました。ローマに入ってフィレンツェへ行き、ヴェネツィアを回って、ローマに帰る、という行程でした。

 

 

 

せっかくの旅行ですからけんかにならないように、彼女を怒らせないように細心の注意を払って旅行をしていたので、フィレンツェ、ヴェネツィアは非常に楽しく旅をすることができました。

 

しかし、ローマにもどって、夕食をおいしいビストロでとってホテルに帰ってから、事件は勃発しました。

 

 

 

どういう理由だったのか全く今となっては思い出せないですし、その時にも明確にはわかっていなかったと思いますが、部屋に入ってから、急に彼女が爆発するように怒り出したのです。そして大声で怒鳴って、こんなところで一緒にいられない、みたいなことを叫んで部屋の外に駆け出して行ったのです。

 

 

 

 

こんな、旅先の決して治安がいいとは言えないローマの深夜に、女性を1人で外に生かせるわけにはいきません。私もすぐに彼女の後を追いました。彼女はものすごはやさでローマの街を駆けていきます。

 

 

 

私もそれを追って、名前を呼びながら疾走します。そして、町の中心部にある遺跡のところで、彼女が走りつかれたのを確保し、私の腕の中で暴れるのを、おとなしくなるまでじっと待って、そしてやっと部屋に連れ帰ったのでした。

 

 

 

今でも、ローマと聞くと、あの深夜の疾走を思い出します。